第2回ロジスティクス部会
第2回ロジスティクス部会報告
第2回ロジスティクス部会
2006年7月20・21日、中国・青島市で「第2回ロジスティクス部会」が開催されました。各都市の港湾・物流関係部署の局長クラス、港湾振興協会代表者(中国:港務公司、韓国:公社)、及び民間物流事業者ら約200人が参加し、部会会議や港湾局長個別懇談会、専門家フォーラム、ビジネス交流会などを行いました。
部会会議では、前回採択されたアクションプランの実績報告(環黄海10都市の港湾情報、国等に対する政策提言)、各都市からの港湾・物流施策の提案、及び今後の重点的取り組みについて議論を交わしました。
また懇親会では、日本から松村龍二国土交通省副大臣が出席し、東アジアの効率的物流システム構築の重要性を強調した上で「(本部会が)環黄海地域の物流の活性化、発展に大きく貢献すること期待します」とのごあいさつをいただきました。
アクションプランの実績報告
1 港湾情報のデータベース化
●東アジア地域の社会経済の概況
●環黄海10港湾のインフラの整備状況
●環黄海10港湾間の貨物取扱い動向
●環黄海10港湾後背地の産業動向
●環黄海地域の物流事業者に関するデータの収集
2 国等に対する政策提言
環黄海地域における物流円滑化に向けた課題を抽出、その対応策を検討し、環黄海地域の物流を取り巻く特性や、物流促進に向けた方向性とその具体的な取り組みについて提案しました。(事業提案は、「今後の重点的な取り組みについて」の2に表記)
今後の重点的な取り組みについて
1 国際航空物流の活性化
スピーディかつ効率的なグローバル物流を行うためには、航空物流も極めて重要な要素であることから、これまでの海上物流に加え、航空物流についても協議の対象としました。
2 環黄海地域の物流促進に向けた事業提案の検討
環黄海地域の物流促進に向け、民間物流企業同士のネットワーク強化のために、今回部会会議で取り上げた「国等に対する政策提言」に盛り込まれている事業提案について検討・支援に努めることとしました。
●事業提案
1.3か国連動型物流マーケティング調査による情報交換の促進
2.国際物流専門家フォーラムの開催によるネットワークの強化
3.環黄海エリア国際物流モデル事業の実施
4.トレーサビリティに寄与する物流情報システムのシームレス化
部会会議 松村龍二国土交通省副大臣出席
2007年度開催都市の選定
2007年度の東アジア経済交流推進機構 ロジスティクス部会は、日本・福岡市で開催されることになりました。
専門家フォーラム
専門家フォーラムは、日本、中国、韓国それぞれの国を代表する大手家電メーカーの物流担当者をパネリストに迎え、物流における自社グループのグローバル展開や戦略について講演していただいた後、サプライチェーン・マネジメントなどの観点から、高度な物流サービスについて民間物流企業と意見交換を行いました。
パネリスト
日本:松下電器国際物流(香港)有限公司社長
松下電器(中国)物流統括部長
海江田 昭一
「松下電器の国際物流戦略」“全体最適のメーカーSCM構築へ”
<発言要旨>
当社の海外物流部門は「メーカーSCMの構築」を方針に、資材調達から完成品の顧客納入まで全プロセスを最適化する仕組みづくりの責任と役割を担う。スピードや市場・顧客ニーズへの変化対応能力、在庫削減、徹底したコスト競争力の強化を目標に、各法人・部門間の物流とその情報を一本化させることで全体最適の仕組みづくりを目指している。
世界の製造拠点、重点市場としてグループ会社約60社を擁する中国でも、資材と完成品の国内・輸出入すべての物流で一元的な仕組みづくりが必要となり、香港の輸出物流会社、上海の国内物流会社、今春設立した上海の輸出入物流会社の3社と、これを束ねる物流統括部がこれらの物流を支えている。
中国における輸出物流では、コスト削減と環境負荷軽減を目指し、コンテナのリサイクルに取り組んでいるほか、輸出港も見直した。資材物流では資材のVMI(部品納入業者による在庫管理)オペレーションを進めている。
当社は2010年にグローバルエクセレンス企業を目指し、新たな中期計画を策定するが、その中でも物流は大きな位置付けを占める。物流・ロジスティクスというのはやはりプロセスであり、資材調達から顧客への商品納入までいかに早く短く安全かつ低コストでマネジメントできるかがメーカーとして問われてくる。そのために関連する企業などとの仕組みづくりが重要課題となり、物流事業者の方々の協力も得ながら進めていきたいと考えている。
中国:青島海爾(ハイアール)物流有限公司総経理
王 正 剛
「グローバル化時代の物流発展のチャンスとチャレンジ」“産業チェーン形成し競争力を向上”
<発言要旨>
当社グループは98年から物流推進本部を設置し、物流品質向上への努力を重ねてきた。その結果、ユーザーに直結する情報整備や産業チェーンの形成による輸送時間・距離の短縮など、独自のモデルを構築した。われわれはユーザーニーズを最優先に製品を開発、世界各地で時間通りに生産、世界のユーザーに販売・供給し、これをTPM(総合生産保全)の管理やIT、人的資源、全世界の物流配送ネットワークなどを駆使してサポートしている。
また、パートナー企業との連携も重要。さまざまな面で融化を図っている。具体的には主要生産基地の周りに一つの産業チェーンをつくり、そのなかに関係企業などを集め、生産工場や物流センターと直結したサプライチェーンを形成している。主眼は「ゼロ距離」で、同じパーク内に部品供給拠点と生産工場があるので輸送距離・時間は短くなり、在庫品も減らして物流コストを大幅に削減。技術開発もパーク内で行うため新機種の生産も素早く実現でき、こうした産業チェーンの形成によりブランド品の質は向上し、市場での競争力も増強されてきた。
最重要点課題は、物流のニーズを調達から生産、販売、顧客への配送まで全体からマクロ的にとらえること。輸出入を含めて全部一括して統合できるような会社・方法が求められる。われわれ自身、これを模索し、製品ごとの部材配送パターンの構築や自社工場周辺での産業チェーン形成など、いろいろな対応を進めている。よって、こういう体系化した物流提案を出してもらえるような会社があれば歓迎するし、これまでのサプライチェーンの経験を生かして協力していきたいと思っている。
韓国:LG電子グローバルロジスティクスグループ長
金 亨 眞
「アプローチ トウー チャイナ」“未来ニーズ予測し統合戦略を推進”
<発言要旨>
LG電子は(1)圏域別3PLの統合、(2)物流プロセスの統合、(3)効率的マーケティング支援、を柱に物流運営戦略を進めており、市場・顧客に対するスピード、サービスの向上とコストダウン(超低原価達成)などによる世界的な物流競争力の確保を目指している。
販売法人物流では、昨年から2007年までをフェーズ1として地域別3PLを統合。さらに08年までのフェーズ2で地域・製品物流の統合、09年までのフェーズ3で全体物流の最適化(SCMの観点からの物流管理水準確保、最終的に圏域別一企業への統合など)へと段階的に物流統合戦略を進めている。全社的な物流プロセスの統合では、工場物流、内需販売物流、国内輸出物流、海外法人物流の計93の物流標準プロセスをシステム化し、それぞれの業務に適用している。
中国の生産基地を通じた完成品の供給ネットワークの設定は依然、当社にとって重要施策の一つ。より効率的で安定した供給体系を備えるため、工場物流と内需物流では子会社を設立して韓国の運営戦略を導入。生産法人の輸出物流は汎韓(パンコリア)物流と統合して現在の対中物流戦略を形成し、韓国と同様の物流プロセスと販売戦略を統一させることを今、中国で考えている。
そして現在の最重点課題は未来ニーズの予測と分析。注文通りの生産だけでなく、未来の市場ニーズを予想し、生産管理と販売管理の両面から総合的に分析して調達、生産、在庫管理などを行っていく必要がある。だから予想力を持たなければならない。
コーディネーター
日本:日本海事新聞社新聞事業本部編集部次長
遠藤 聡
*各パネリストの発言要旨は、日本海事新聞2006年9月1日付記事「東アジア経済交流推進機構 ロジスティクス部会 『環黄海圏の物流促進へ』」の一部内容を抜粋して掲載しています。
ロジスティクスビジネス交流会
専門家フォーラムに続いて開催されたロジスティクスビジネス交流会では、各都市の船社、ターミナル運営会社、及びフォワーダーら物流関連企業約90社、約130名が参加し、事前にビジネスマッチングを希望した企業同士による商談会及びビジネスチャンスの発掘を図るための交流会が行われました。
